ざっくり言うと
- ビルの所有者や管理会社が敷地を貸し、運営会社が登録店の中から曜日ごとの出店者を割り当てます。
- 場所側の費用はゼロ。出店管理、衛生書類の確認、決済まで運営会社が引き受けます。
- 1つの店が週に複数の会場を回るので、同じビルでも曜日で顔ぶれが変わります。定期枠の中央値は1店3枠。
三者の役割
オフィス街のキッチンカーには、場所を貸す側、店を割り当てる側、料理を売る側の三者がいます。ビルの前の広場に毎日違う店が並ぶのは、この分担があるからです。
場所を貸すのはビルの所有者や管理会社です。オフィスビルだけではなく、当サイトの会場454件のうち、名前に大学を含む会場が31件、病院を含む会場が19件、市役所が4件あります。
店を割り当てるのが運営会社です。出店したい店を登録し、場所ごとの曜日枠に配車し、衛生管理や決済まで引き受けます。店は場所探しと交渉を運営会社に任せ、料理に集中できます。
料理を売る側がキッチンカーです。運営会社に登録し、決まった曜日に決まった場所へ行きます。営業に必要な許可は店が自分で取ります。
三者の間でお金は2方向に流れます。客が店に払う代金と、そこから運営会社と場所側に回る使用料です。率や金額は運営会社ごとに違い、公式サイトには載っていません。
運営会社の仕事
運営会社は、出店したい店の登録を受け、場所ごとの曜日枠に店を割り当てます。当サイトの出店予定も、こうした運営会社が公開している予定表から集めています。
割り当てのほかに引き受けるのは、スケジュール調整、食品衛生責任者証の確認、会場の巡回、決済処理です。場所側は敷地を提供するだけで、日々の運営に人を出しません。
出店の予定には、毎週同じ曜日に来る定期枠と、日付を決めて1回だけ来る単発枠があります。当サイト掲載データ(2026年9月集計)では、出店枠3,758のうち定期が2,463、単発が1,295でした。
会場の場所は都心に寄っています。当サイト掲載データ(2026年9月集計)では、会場476か所のうち東京都が278か所。市区別では港区68、千代田区57、中央区30の順でした。
ビル側の狙い
場所を貸す側の狙いは3つ。テナントのランチの選択肢が増えること、遊休スペースが人の集まる場所に変わること、従業員向けのランチ補助として使えることです。
場所側は、店の売上の一部を使用料として受け取ります。率は運営会社との取り決めで決まり、公開された数字はありません。
不動産会社側の動きもあります。日本経済新聞(2021年8月)によると、三井不動産リアルティは土地を貸したい地主と出店場所を探す企業をつなぐ仲介サービスを始め、キッチンカーへの土地提供を見込んでいます。
日経ビジネス(2021年9月)は、2016年設立の運営会社がオフィスビルのランチ出店を中心に支援してきたと伝えています。当時の登録は1,000台以上、出店場所は約500か所でした。
曜日で店が変わる理由
同じビルに毎日違う店が来るのは、1つの店が週に複数の会場を回っているからです。月曜はAビル、火曜はBビル、という具合に、店の側にも週の巡回表があります。
当サイト掲載データ(2026年9月集計、831店・476か所)では、定期の出店枠を持つ店は702店。1店あたりの定期枠の中央値は3で、週5枠以上を持つ店が172店ありました。
会場側から見ると、月〜金の5枠を5つの店で埋めることになります。当サイト掲載データ(2026年9月集計)では、定期枠のある会場386か所のうち、同じ店が週2日以上入る会場は28か所、5日とも同じ店の会場は4か所でした。定期枠は曜日単位で組まれています。気に入った店は曜日で覚えると再会しやすい。
今日の顔ぶれは曜日から探す、勤務先の近くの会場はエリアから探すで引けます。
当サイト掲載データ(2026年9月集計)では、会場名に「ビル」を含む会場が135、「タワー」が42、「大学」が33、「病院」が19でした。会場の多くはビルの敷地です。
店側の負担
出店料や売上歩合は、運営会社の公式サイトに金額の記載がありません。ここで示せる数字はなし。
公式サイトにあるのは、出店者向けの支援内容です。登録から定着までの伴走、売れる場所のデータ提供、商品開発の助言が挙げられています。
店の側に回るには、運営会社への登録の前に保健所の営業許可が要ります。必要な許可と費用は開業に必要な許可と費用に書きました。